今年の産経賞オールカマー(G2、中山2200m)は楽しみなメンバーが集まりました。
三冠牝馬デアリングタクトを筆頭に、4連勝して天皇賞(春)でも3着に入ったテーオーロイヤル。しかし、しかし、楽しみなのはケガからの復活組です。
本来なら今年の中距離路線の主役にもなりえたソーヴァリアント(牡4歳、美浦・父オルフェーヴル)が骨折明け9か月ぶり。
ラジオNIKKEI賞で今や海外G1馬パンサラッサを寄せ付けなかったバビット(牡5歳、栗東・父ナカヤマフェスタ)が屈腱炎明け1年半ぶり。
それだけではありません。
屈腱炎での休養明けで1年4か月ぶりの鳴尾記念を快勝したヴェルトライゼンデ(牡5歳、栗東・父ドリームジャーニー)、ゴールドシップ産駒のウインキートス、さらにはステイゴールド産駒のクレッシェンドラヴとまさにステゴ一族のオールカマー!
オルフェーヴル産駒のエポカドーロが種牡馬となっていますが、なかなか孫の世代で後継者が出ないステイゴールド。ソーヴァリアント、バビット、ヴェルトライゼンデはぜひともG1を勝って種牡馬になってもらいたいです。そのためにはここでデアリングタクトを倒してG1戦線に名乗りを上げてもらいたい!
今週はステゴ一族から目が離せません。
オールカマーのデータから
牝馬が強い
エリザベス女王杯へのローテーションにちょうど良いことから近年は牝馬が優勢です。今年の対象はデアリングタクト、ジェラルディーナ、ウインキートス。どれが来てもおかしくない有力馬です。
内枠が有利
2014年の改修以降、10番以内の枠順が有利です。
前走2200mが強い
→デアリングタクト、ロバートソンキー
夏場を休養した馬が好調
データからだとデアリングタクトが絶好に思えますね。
オールカマーの予想
◎ソーヴァリアント(牡4歳、父:オルフェーヴル)
2歳時に1着入線も禁止薬物による失格で初勝利が遅れ、弥生賞も前残りで届かず4着とクラシックの権利を逃しました。夏場に力をつけ、年末のチャレンジカップ(G3)で完勝。しかし、その後骨折が判明した不運な幻の大阪杯馬。
9か月ぶりの出走、しかも骨折明けと厳しい状況ですが、チャレンジCでヒートオンビートとペルシアンナイト、ジェラルディーナを完封しているので、ここでも勝ち負けでしょう。重馬場が残っても問題なし。
C.ルメール騎手の「すごく能力があるし、GⅡ、GⅠに絶対に行ける馬です」というコメントのようにオルフェーヴルの後継者へ負けられません。
〇ヴェルトライゼンデ(牡5歳、父:ドリームジャーニー)
コントレイル世代のダービー3着馬。今まで馬券外になったのは皐月賞と菊花賞のみという堅実派。屈腱炎で1年4か月ぶり出走となった鳴尾記念(G3)で復活勝利。順調ならG1を勝っていてもおかしくない実績馬です。
うなるように坂路を駆け上がって来る調教が圧巻でした。D.レーン騎手の「直線に入ってからの手応えが良く、スペースができると素晴らしい瞬発力を見せてくれました。さらに良くなると思うし、将来が楽しみです」というコメントがリップサービスでないなら、ここでも勝ち負けとなるはずです。
ドリームジャーニー産駒、期待の星。三冠馬コントレイルとしのぎを削ってきたのは伊達じゃないという姿を見せて欲しい。
▲デアリングタクト(牝5歳、父:エピファネイア)
言わずと知れた三冠牝馬。右前肢繋靱帯炎で約一年休養しましたが、復帰戦のヴィクトリアマイル(G1)で6着、宝塚記念(G1)で3着と復調ムード。オールカマーで完全復活に挑みます。
調子も良く、斤量も54kgで出走でき、データ面でも有利。重馬場も苦にしないと条件がそろっています。あっさり勝つ可能性もありますが、気がかりは中山コースが初めてなこと。トリッキーなコースで差し届かないケースがあるかも!?
△ウインキートス(牝5歳、父:ゴールドシップ)
昨年のオールカマー2着の中山巧者。目黒記念1着、札幌記念を叩いて2着した昨年と異なり、今年は目黒記念3着からの直行。久々がどうか。
△テーオーロイヤル(牡4歳、父:リオンディーズ)
天皇賞(春)組は意外と悪くない。4連勝で重賞まで勝ち上がった実力は侮れません。
△ロバートソンキー(牡5歳、父:ルーラーシップ)
前走新潟2200mの日本海Sを勝ってオープン入り。実力は間違いないが、昇級初戦なのと左回り巧者っぽいのがどうか。
×バビット(牡5歳、父:ナカヤマフェスタ)も屈腱炎による休養で1年半ぶり。今回はまだ本調子ではなさそうなので、気分良く逃げて自走につなげて欲しいです。何気に坂路自己ベストを更新しているのは不気味。
相変わらずの雨で馬場状況が気になりますが、上位人気馬は道悪もこなすので問題ないでしょう。荒れずに固い決着になりそうです。◎〇は甲乙つけがたいので、これで決まってくれると美味しいのですが。人気どころのオッズが安いので買い目には気をつけてください。
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